2025.5.10

■吉野林業全書から学ぶ 
30_杉・桧苗木の植付け場所の地明け①

杉・桧の苗木を植付けるにあたって、山を掃除することを地明けという。

前年の冬から植付け予定地の雑草を刈って、灌木などの不要な物と共に取り除いておく。

ただし、その雑草やゴミを焼き払うことは、植付ける苗木の生育を阻害するため十分に注意しなければならない。どうしても焼いてしまわなければならない場合は、ゴミを何か所かにしっかりと積み重ね、山火事に十分注意して雨が降って風がない時に行うこと。

また、なるべく早い時期に作業を行い、焼いた後を数回の雨雪にさらす必要がある。

大径木の雑木山を切り開くのであれば、切株からの発芽がなく伐倒した雑木が腐りやすい梅雨時期に行うのが良い。

地方によっては雑木の大木は根を切らずに枝と梢を切り払い、幹はそのままに根の皮を剥いで枯らしたりもする。

雑木にフジツタが多くからんでいるときは、前年の梅雨に根を切っておけば、それが腐って伐倒が容易になり大変手間が省ける。

雑木山での雑草やゴミの取り除き方や焼き払い方は前述と同様に行うこと。

吉野杉

 
参照:吉野林業全書
____________________________________________________________________
 
地明けとはあまり聞き慣れない言葉で、地拵え(じごしらえ)ですね。

呼び方どうこうよりも、梅雨時期に作業性の悪い傾斜地にヤマビル、ハチ、マムシと…厳しい状況が手に取るように想像できます。簡単に書かれている解説ですが、もちろん現在でも行われる重要な作業でありながら大変厳しく過酷な作業でもあります。

そしてさらに、いつの時代であっても山火事への警戒は相当なものです。

どうか皆様、ご安全に。

最新の記事

アーカイブ

≪■吉野林業全書から学ぶ 

≫■吉野林業全書から学ぶ 

最新の記事

アーカイブ