2024.7.14

■吉野林業全書から学ぶ 
4_吉野杉の発端

奈良県の三輪山や春日山に天然に生育した神代杉を吉野地方に移植したのが「吉野杉」の発端とされている。

慶長年間(1596年~1615年)には後水尾天皇が桂離宮造営にあたり、吉野杉、吉野桧をご用命されたと伝えられる。また、同じく慶長年間に杉の種子を、遠い隠岐の島に分け与えたということだ。すでにその頃には吉野杉が優良材として知れ渡っていたということになる。

(奈良県吉野郡における人工造林が始まったとされる年度)

川上郷 (現在の川上村) 
文亀年間 524年前

黒滝郷 (現在の黒滝村)
慶安年間 426年前

西奥郷 (現在の五條市一部)
寛永年間 396年前

北山郷 (現在の下北山村)
寛永年間 386年前

小川郷 (現在の東吉野村)
元禄年間 334年前

十津川郷 (現在の十津川村)
寛文年間 363年前

中庄郷 (現在の吉野町の一部)
元禄年間 321年前

池田郷 (現在の吉野町の一部)
元禄年間 337年前

国樔郷 (現在の吉野町の一部)
元禄年間 336年前

竜門郷 (現在の吉野町の一部)
安永年間 253年前

吉野杉

 
参照:吉野林業全書
____________________________________________________________________
 
『吉野林業全書』総論には、このように吉野林業の始まりが記されています。現在でも続けられている奈良県川上村の林業は、500年以上の歴史があるということになります。

しかしながら、日本全国で問題となっているように林業は衰退の一途をたどっています。人々の手によって繋がれた壮大な歴史は重いもので、簡単に壊して変えてしまうことはとても難しいものです。

『吉野林業全書』を通じて吉野林業最盛期の知恵を学び直し、少しでも次の500年に繋がる何かを得たいと考えています。

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