2025.6.15

■吉野林業全書から学ぶ 
36_杉・桧の植付け立木の獣害予防

どの地方でも獣害への対策が必要となる。

猪は苗根を掘り起こし、鹿は芽を食い角で幹の皮を剥く。兎は芯を噛み切り、鼠は苗根の皮を剥ぐ。その被害は甚大である。

そのため獣害に対しては直ちに予防をしなければならない。

まず植付けに先立ち、猪の侵入を防ぐため、その土地の周囲に高さ1.8mほどの木柵(栗または杉・桧)を桧皮かクズ、フジツルで括り付ける。

鹿、兎の被害を防ぐには、苗木の周囲に60~90㎝の高さで雑木の枝葉を立てて苗木を覆い、さらに立木の場合は幹を地面から60~90㎝ほど桧皮で巻いて防ぐ。(桧皮で巻く時は雑草か、杉・桧の枝葉を添えて巻くとよい。)

鼠の害がひどい場合は、何度も下草を刈って苗木の根元に巻き付けておくとよい。

獣害の予防には特に注意すること。

吉野杉

 
参照:吉野林業全書
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吉野林業最盛期には多くの人々が山に入り、大きな声や音を出して火を焚いていました。これもある意味、獣害対策だったはずですが、人の手が入らなくなったことで、藪や草むらも繁茂し、より集落まで動物たちを近づけています。

梅雨時から皆に気味悪がられるヤマビルも、少し前までは川上村にはそう多くなかったようです。鹿の蹄に張り付いて大移動をして生息範囲を増やしているのだとか。

時代は変わり対策ネットや柵も進化しましたが、良いものほどお金はかかり万全でもなく、再造林をさらに困難にしています。

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