2025.11.19
【疵腐木(きずぐされ)】
土地の良し悪しとは無関係で、外部からの傷を受け自然に腐りが生じたものである。つまり、岩石が転げ落ちてきて傷がついたとか、間伐時や出材時の損傷が年数を経過するにつれてその腐れが激しくなり、ついには芯材部まで及んで空洞になるものである。傷にはよくよく注意すべきである。この木は利用材積は減るが、樽丸製造用に利用すべきである。
【膨張木】
土地の良し悪しには関係なく風害のために変化したものか、または、その木の性質によって生ずるもので、焼木とほとんど同一のものである。この木は樽丸製造用には不適当である。
【馬木(うま、あて)】
植付けの不注意から生ずるのと、風雪やその他の物に触れ横に傾いたまま成育したものである。これらは植栽後の保護が行き届いていないために生じる害であり、常に保護は怠ってはならないのである。この木を樽丸製造用にするのは困難で、材積もかせぐことができない粗悪木である。しかし、曲がりを上にして両端を柱にはめ、真ん中は柱を用いず架け渡し、その上に束柱を立てて上から荷重を持たせる建築用材の中牛木(登り木)には適している。
【腐木】
表土が浅く、その木が成長するにつれて根先が岩盤につかえて腐れが生じ、ついに幹に及んで芯腐れを生ずるもので空洞木となる前兆である。この木は芯材の節の多いところは朽ち果てており、そのため油気のある赤色さえ失われ全体が白色となる。したがって、利用材積は減っても木質は良好だから樽丸製造用に使用される。
【空洞木(くうどう)】
芯腐れ木が年数を経過するにつれて次第に腐れを増し、ついに空洞になるものである。もっとも、数百年を経たものは土壌に関係なく空洞木になるものが多い。ただし、桧は杉と比べると老樹は空洞になり易いものである。この木は空洞となった腐った部分を除いて、その残りを板もしくは小割ものに使用する。
【目廻り木】
土地の良し悪しに関わらず、強風被害を受ける所に成育したもので、自然と木目の間に離れを生じてしまっているものである。この木は樽丸製造用には一切用いられず、その他の用材にも使いにくいもので、わずかに丸太のまま使用される劣等木である。

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