2025.11.16

■吉野林業全書から学ぶ 
55_桧の木質種類とその用途①

【白色木】
土地の良し悪しに関わらず自然木に多く発生する。しかし数百年を経たものでなければ、油気が強く色が赤い。また、老齢樹であるから節は多いが樽丸製造用にはもちろん適しており、その他の需要にも広く用いられ常に高値を保っている。

【赤色木】
土地の良し悪しに関わらず人工造林によく発生する。通常、人工造林は約100年で皆伐するので、育林中に3回の枝打ちを行うことによって生ずる。この木は丈が長く節が少ないので、辺材部は樽丸製造用に適しているが赤身は用いられない。そのため、多くは丸太のまま角材として住宅建材に使われる。

【絞木(しぼ)】
土地の良し悪しには関係なく天然の性質として発生する。外観はあたかもシデ木の肌のように、表面に不規則な縦じわのある美しいものである。この木は二間から二間半の長さ、末口は三寸から六寸のものが柱材として多く用いられる。

【油木】
南東向きの乾燥した炉土(ボクボク土とも言われる)に成育したものである。そのため、辺材と芯材の判別がつきにくく、全体に赤紅色を帯び油気があって光沢を有する。この木は丸太のまま角物として住宅建材や橋梁用材に用いられる。

【焼木】
土地の良し悪しに関わらず、檜皮(ひわだ)を取った山中で多く発生する。この木は数百年を経過すると、必ず飛び腐れが発生し空洞木となることが多い。一見して表面は良材に見えても中腐れがあるので、樽丸製造用には不適当で油木よりも劣る。

【捻木】
土地の良し悪しに関係なくその木自体の性質か、もしくは変質によって発生する。この木は樽丸製造用には不適当で丸太のまま使用する。

吉野桧

 
参照:吉野林業全書
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主に建築用材として使われることにはなっていますが、吉野桧も樽丸生産に使われていたようです。

酒樽の場合、吉野杉の芳醇な香りも重宝されていたと思いますので、桧ではどうだったのでしょうか。

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