2025.1.4

■吉野林業全書から学ぶ 
24_杉・桧の苗床の除草と施肥

杉の苗木は、苗床に覆いをしてから約30日(種の播き付けから約60日)で4㎝弱に伸びている。

このタイミングで雑草を取り除き肥料を施す。肥料は畑一坪に対して、約60ℓの水肥に油粕を三合ずつの割合で混ぜて施す。

雨の多い梅雨にはこれを2~3回行うのであるが、除草とともに苗の密生した部分と発育不良のものは間引く。

以降、秋の土用までに施肥は2回で、初回からの合計で5~6回の施肥で止める。施肥ごとの除草は怠ってはならない。

桧の苗木は、杉の苗木と同じようにすると枯れてしまうので、杉の苗木の2回目の施肥の頃に最初の施肥を行う。それ以降の手入れについては同様である。

苗床の覆いについて、梅雨の間と秋分から冬の初め以外は、施肥や除草の際は一旦取り除き作業後に元に戻さなければならない。

炎暑や霜雪の頃は必ず覆いは必要であり、特に寒さが激しい時には藁(わら)の外皮を振りかけることも行ったほうがよい。

吉野杉

 
参照:吉野林業全書
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温暖化によって川上村の雪もずいぶん減っていますので、現代では冬対策よりも夏対策のほうが大変かもしれません。

吉野林業では伐採後の木材を枝葉を付けたまま放置し、木材の水分を葉からの蒸散作用によって放出させ、渋抜きを行う葉枯らし乾燥を行いますが、最近の猛暑によって夏の土用伐りのタイミング次第では暑さで枝葉が枯れてしまい、葉枯らし乾燥が行えないといった現象も起こっています。

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