2024.9.11

■吉野林業全書から学ぶ 
15_杉・桧の種子採取の用具②

杉・桧の種子を採取できる枝がある程度低い位置にあれば、一本梯子(むかで梯子)を使う。

一本梯子は長さ約5~7m、直径約6㎝の丸太を使う。この丸太の約60㎝ごとに、縦約3㎝、横幅約1.5㎝の穴を開け、長さ約30㎝の横木を差し込む。最上部の1ヶ所だけ約9㎝間隔で、2本を十文字型にはめ込む。
吉野杉
この「むかで型」の梯子を木の根元に立て、上下真ん中の3ヶ所を綱で縛って固定して登り、種子採取を行う枝に乗り移るのである。

吉野杉

 
参照:吉野林業全書
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この梯子ひとつをとっても、安全性や機能性といった部分では現代の工業製品のほうが良いのはあたりまえなのですが、消費がなければ解決しない林業の課題に対して、仕事道具から生活用品まで、あらゆる場面に木が使われていた時代を顧みることも大切だと思われます。

大きな転換期を迎えている現代社会において、様々な場面で、木がさらにたくさん消費される時代が再び訪れるような気がしています。

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