過去から学ぶ吉野林業
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
2024.5.5
■吉野林業全書から学ぶ
2_地 道 敏 樹
山縣有朋が「吉野林業全書」発刊に際して書きおろした『地道敏樹』という言葉は、「人々に政治が必要だということは、土地に樹木が必要なのと同じで、水辺の蒲や芦は成長が早いが、それと同じように政治も急転成長する」というような意味です。
山縣有朋と土倉庄三郎とは非常に親しい間柄でした。山縣は日清戦争の前と後、二度の内閣総理大臣で、極度に国力の疲弊した最悪時代に国政を担当していたこともあり、庄三郎の提唱する「富国殖林 殖林救国説」に大いに共鳴し、山林局長に就任することを頼み込んだほどです。
「故に政を為すは人に在り。人を採用するには身を以てし、身を修むるに道を以て為す。」
政治に携わる立派な人物が存在することが重要であり、しかるべき立派な人物が位に在れば政治もきちんと行われるが、しかるべき人物がいなければ國は衰え亡びてしまう。政治の良否は、立派な人物の有無にかかっているという意味で、庄三郎の業績が、それに相応しいとして『地道敏樹』を送ったものと思われます。
参照:吉野林業全書
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信じた道を貫き通し、人々の厚い信頼を獲得した土倉庄三郎の考え方をたどることが、衰退を続ける林業の再生に少しでも役立つことがあるのではないかと思いますが、小さな存在である自分たちはコツコツとできることを続けるだけです。
それがいつか大切な何かに繋がることを信じて。
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