2025.12.30
丸丈(樽丸の長さ)一尺八寸に玉切りした丸太を大包丁で中心部を通して二つに割り、丸太の大小に応じて適当な数に小割をする。
小割をしたものは割り削りと言って、二人一組で一人が割り、もう一人が削る。
割り人は割包丁で木の大小によって、幅三寸から五、六寸(約9㎝~18㎝)、厚みは最初に一寸(約3㎝)ずつに割り、あとからこれを二つに割って一枚の厚みを五分(約1.5㎝)とする。
削り人は内側、外側ともセン(両端をにぎれる削り包丁)で削る。そしてこれを一枚ずつ四角の枠(井桁)のように高く積み重ねて乾燥させる。
この樽丸を割った外側の白いところは木皮(コワ)と言って、薄いものはこれで白丸(砂糖桶などに使う)を造り、厚いものは樽の蓋(フタ)にする。木皮は厚みを区別して樽丸と同様に乾燥させるが、横積みに乾燥させる場合もある。
【追記】
樽丸製造を行っても利益を見込めないものは、貫(ぬき)に加工したり、丸太のまま家屋の建築用材としたり、酒桶類、板類、襖、額縁等、他の適当な用材に使うほうが得策である。
この二間丸太について、前後七寸(約21㎝)ずつ切り取ったものは、柾目に割って削り蒲鉾(かまぼこ)板に使用する。蒲鉾板は長さ七寸(約21㎝)、幅二寸(約6㎝)、厚み五分(約1.5㎝)で、杉の切り株からも製造する。

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