2025.12.28
洗丸太の間伐は秋としているが、春にも行うことがあって春の洗丸太製造には二通りの方法がある。
一つは、春の伐採前に洗丸太に適するものを選木し、新肉ができた時に伐採する。そして皮付きのまま鋸で適寸に挽いて、川辺で皮をはいで細砂を塗り棕櫚(シュロ)の皮で摩擦して洗い、木口を処理した後はすぐに筏に積んで運送する。
もう一つは、春季間伐の丸太を小切る際にその中から洗丸太に適するものを選び、長さ一丈から二間(約3mから約3.6m)、長いものは四、五間(約7.2mから約9m)に挽いて、これを一般の間伐材より先に川辺に運搬する。
その洗い方、仕立て方は、冬季仕立ての場合と全く同じである。これを納屋に入れて秋季まで保管しておき、冬季の洗丸太より先に運送する。(荷造りも冬季のものと同じとする)
しかし、この春季洗丸太は建築に使用すると赤色に変わり、見苦しくなるから上等用材は少ない。そのため家屋の柱や梁桁に用いられている。
【追記】
この洗丸太を家屋に使用する場合、より美しい光沢を発生させたいならば、糖袋(当時の砂糖保存用袋)で摩擦すると見違えるほど美しいものとなる。
伐採地が遠隔の場合は、運搬費節約のため川辺に運ぶ前の小切りの際に皮をはぐこともある。
この洗丸太の発端も寛文年間(1661年~1672年)とされている。

人工乾燥技術の発達で木材の安定供給はある程度可能になっていますが、KD材の色味に慣れてしまって、木の本来の美しい色合いは忘れられてしまっています。
柱や梁桁も大壁仕様で隠れてしまい、表面塗装や不燃処理なしの無垢のまま使う内装材も少なくなっているので当然の流れなのかもしれません。
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