2025.12.26
洗丸太の製造は、杉の樹齢40年前後の立木の中からそれに適するものを間伐するのであるが、春から夏にかけてできた新肉の部分はことごとく皮に吸収され、肉は木質部にならないため、夏の土用後30日前後に伐採し、枝や皮を付けたまま三ヶ月間山中に放置する。
最上級品ともなれば、日数と費用がかさむが、寒中に製造することで黄白色を帯びて極めて美しいものとなる。
その製造方法は、立冬(11月8日頃)に木の長さや曲がりに応じて、長さ一丈から二間(約3mから約3.6m)、最も長いものは四、五間(約7.2mから約9m)に鋸で切り川辺に運んで皮をむく。
それを一本毎に少し高い台に載せて水を掛け湿らせて、細砂を塗り棕櫚(シュロ)の皮で摩擦した後、洗浄しよく拭って干す。
丸太の裏面には背割として一方から中心に達するまで鋸目を入れ、3、4ヶ所に楔をはめておく。この背割りによって材全体に割れ目を生ずるようなことはない。
木口は傷つかないように処理し、納屋の中で陰干しにすると木肌は黄色を帯び美しい光沢を生む。
運搬の際には一本毎に紙で巻き(小さいものは2、3本ずつ竹の皮で括る)、さらにその上を杉皮で包み縄で括る。そして一丈物は四束、二間物は三束、三間物は二本、四間物は一本を荷車の一駄として陸路を運搬する。ただし、下等品は筏に載せて運送すればよい。

最新の記事
アーカイブ
最新の記事
アーカイブ