2025.9.28

■吉野林業全書から学ぶ 
46_杉・桧の間伐の方法①

杉・桧の間伐は植付け後14~5年後に初めて行うが、100年目までに13回行う。

100年間に13回の間伐という点について、吉野林業の造林技術の特色は「密植」であり、成長につれて弱度の間伐を繰り返し(多間伐)、森林の密度管理を計画的に進めていくというものである。

これは、生産の主目標が樽丸用材であり(※「吉野林業全書」発刊当時の明治31年時点)、年輪幅が均一で細かなことが要求されるために、密植してその成長を抑制し、成長に従って極めて弱度の間伐を4~5年ないし8~9年おきに行って通直完満な木材を生産するためである。

間伐の季節は春彼岸(3月20日頃)から30日以内として、鉈(ナタ)を用いて行う。初伐から三番間伐または四番間伐までの小径木は、磨き丸太とするので表面のごく美しいものを必要とする。

伐り倒したものは手近なところに集めて(棚伐りという)、立木2本に3m弱の間隔を空けて2本の横木を結び付けて、これに集材した丸太を1本ずつ皮を剥ぎ、10本あるいは20本と横に並べて3週間ほど乾かしておく。

間伐したもので曲がったものや太りすぎたもの、または桧のように磨き丸太に適さないものは、30日以上乾燥させて普通の丸太材として利用する。

吉野杉

 
参照:吉野林業全書
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道具や気象条件は変わっても、撫育と言われる吉野林業の仕立ては大きく変わっていません。しかし、樽丸や磨き丸太だけをとってみても大きな需要は失われ、吉野杉・吉野桧の利用方法・利用価値・販路は激変しています。

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